拙訳
はじめに(INTRODUCTION)
波面トレーシングの応用(Applications of Wavefront Tracing)[Kneisly 1968]
- コースティクス[Stavroudis1972] [Mitchell 1992]
- ボケ付きレンダリング
- ボケの大きさの正確な評価
- 人間の視力を計算に入れることができる
- エンジニアリング分野で有効活用される(メガネレンズの設計、眼科学)
基本の前提(Basic Premises)
- レイトレーシングに対する選択肢
- レイは与えられる入力
- 波面上の点に注意を払う
- レイと波面の交差点
- 波面トレーシングは波動光学の手法ではなく幾何光学の技術であることに注意
各トレースに対する入出力(Input / Output for Each Trace)
- 入力
- (スクリーンから物体表面の点への)一連のレイ
- 波源点 (レイの両端点)
- 道中の媒質の屈折率または屈折力(メガネレンズ、眼球レンズ)
- 絞り(瞳孔)の直径
- 出力
- 波面曲率
- レイの任意の点におけるライトビームの大きさ
波面トレーシングの簡単な概要(BRIEF OVERVIEW OF WAVEFRONT TRACING)
物体の点からの波面トレーシング(Wavefront Tracing from an Object Point)
- 任意のオブジェクトの点からのバックトレーシングを行いながらボケを評価する[Loos 1998] [Kakimoto 2007]
- 角膜
- 瞳孔
- 網膜
- 中心窩
目からの波面トレーシング(Wavefront Tracing from the Eye)
- オブジェクト空間の点でボケを評価する[Kakimoto 2010]
- ボケの空間的な分布を事前計算するのに効率的
波面の記述(Descriptions of a Wavefront)
- 法線ベクトル
- 主要曲率と
- 主要方向と
波面処理(1) 転送(Wavefront Operation (1) Transfer)
- は進んだ距離
(2) 屈折率による屈折((2) Refraction by Refractive Index)
- 波面形式におけるSnellの法則
- 境界が同じ方法で表現される
その他の波面処理(Other Wavefront Operations)
- 屈折力による屈折
- 人間の視力は屈折力で表される
- 反射
- 円錐体トレーシングによって必要に応じて同時に起こさせる
- 円形絞りを仮定する
- レイに沿って楕円形状をトレースする
- 詳細は[Kakimoto 2011]を参照
デフォーカスシミュレーションのための円錐体トレーシング(Conoid Tracing for Defocus Simulation)
円錐体: 光の束の形状(Conoid: A Bundle Shape of Light)
- Sturmの円錐体(眼科学用語)
- 非球面レンズの円形絞りを通る光の束によって形成される円錐のような形状
- 乱視レンズ
例(EXAMPLES)
乱視の目の視点(A View with an Astigmatic Eye)
- ボケ形状は円錐体トレーシングで計算される
- ボケレンダリングなしの画像
- ボケレンダリング出力
- 11cm 目からの距離 6cm
設計における累進レンズ1で補正した近視と遠視(Myopia and presbyopia corrected by a progressive lens in design)
累進レンズ視点のレンダリング(Rendering of Progressive Lens View)
頂点ディスプレースメントを伴う準リアルタイムボケレンダリング(Near Real-Time Bokeh Rendering with Vertex Displacement)
- ビューボリューム内の事前計算されたボケ分布を使う
- 頂点シェーダで実装
- その点でボケ楕円内に頂点を変位する
- サンプルしたディスプレースメントで画像をブレンドする
- ピクセルシェーダ実装は多分可能
終わりに(Conclusion)
- 波面トレーシングは正確に光の広がりを解析するためのツールである
- 円錐体トレーシングは円形絞りから導かれるボケサイズを評価する
- メガネレンズ設計の検証に応用される
- ゲームやコンテンツのコミュニティではまだ使われていない
Footnotes
-
訳注:焦点がシームレスに変化するレンズのこと。遠近両用レンズなど。 ↩